| ギリシャのさまざまな傑作 西洋文明の発祥地ギリシャは、ブドウ学研究上今なお非常に豊かな文化遺産を有するヨーロッパのワイナリーのひとつです。パリ五区にあるマヴロマチス兄弟のレストランで行われた試飲会で、ソムリエのジョルジュ・イオニディスは、現地特有の品種でつくられた非常にすばらしいセレクションを紹介しましたが、私はそのことを改めて実感しました。ワインのすばらしさ、とりわけ辛口白ワインの秀逸さには心底驚かされました。 スパルタのロディティス 白ワインの最高傑作は、ドメーヌ・メルクーリのキュヴェ・フォリオ2005です。ペロポネソス半島のスパルタに近い標高650mのフォリオ山生まれ、ロディティス種のみでつくられています。その繊細さ、ピュアさを私は愛してやみません。つぎは、 やはりペロポネソス半島で、より東にあるドメーヌ・アタナス・パルパルシスがアシルティコとアティリという二種の品種でつくるレ・ドン・ドゥ・ディオニソス2004です。カヴァ(レゼルヴェの意味)と称されるこのワインは、まずハーブティ、アーモンド、果物の種などのアロム、それからアカシアのタッチが現れてきます。 モスコクィレロの歓び スパイシィでアロムに富んでいる点では、ペロポネソス半島はマンティニア産のモスコクィレロ品種のワインを推奨します。2005年にドメーヌ・ツェレポスがクラシック・スタイルで造り上げたものは、白い花々、白胡椒のアロムに見事な果実味を有する至福のワインです。 ギリシャ諸島の比類ないすばらしさ ギリシャのワイナリーの最大の特殊性は島国であることです。イオニア諸島からキクラデス諸島まで、この土地のブドウは独特の美酒を生みだします。たとえばセファロニーのドメーヌ・ジェンティリーニがつくるロボラ2005は上品でヴァランスのいい逸品で、イオニアの特徴的なワインといえます。キクラデスに目を移すと、ここはギリシャで最も高く評価されている産地です。火山性の土地では驚嘆に値する溌剌さを持つアシルティコ種がつくられており、それは中央ヨーロッパのワインに驚くほど酷似しておりますが、ソムリエコンクールに出題されれば、切実な落とし穴になりそうです。この地区で私のお薦めはドメーヌ・ハジダキスです。そのアシルティコ2005のすばらしさといったら! 当家のニクテリ(古代用語で遅摘みワインを意味し、辛口でアルコール度数16度に仕込まれている)2004は実に地中海的な特質のワインです。信じられないほどの複雑味があり、マリネあるいはグリエした白身肉の料理にぴったりです。 どうして松ヤニのアロムが生じていないのか? 個性のない酸化したワインの記憶を拭い去ってください。むしろサヴァティアノとかロディティス種でつくられ、松ヤニの香りはアロム全体(松、メントール、ユーカリ)に完璧に溶け込んだ、上品なワインを想起してください。 もし、新しいものを学ぶ意識がおありでしたら、ドメーヌ・ガイアのキュヴェ・ノビリス2005、あるいはドメーヌ・ケクリスのキュヴェ・ラーム・ド・パン2005を味わってください。きわだつ古酒の魅力を満喫されることでしょう。 Beautés Grecques par Olivier Poussier pour la Revue des Vins de France décembre-janvier 2007 オリヴィエ・プーシエ記ラ・ルヴュ・デ・ヴァン・ド・フランス12月-2007年1月 |

コルベイユ形に仕立てられたブドウの樹  溶岩、火山滓、凝灰岩の土地に接木せずに植えられたブドウ、テラス状の畑、コルベイユ仕立ての小枝、他のどこにも類似しないサントリーニ島のブドウ畑
サントリーニ:文化遺産としての比類ない島しょブドウ栽培地 |